撮影した画像を、パソコンやスマホに保存して放置していませんか?
モニターで閲覧するだけで済まさずに、これはと思われる画像はプリントにしてじっくりと観察することが大事です。
まず、撮影した写真をパソコンのソフトで開き、最低でもA4サイズくらいに拡大して観てみましょう。小さい画面の時には気が付かなかった細かい部分がより鮮明に観えて、色々な部分を発見することができます。例えば、大きい画面で観ると、ピントが合っていないことや、画面上に無用な被写体が写っているなど発見することができます。そして、気に入った画像をL版プリントに出力して、プリントは簡単に並び替えることができるので、机の上に並べてみましょう。
その中で、最も気に入った写真をA4プリントにしてファイルすることをお勧めします。いずれにしても撮影したものはまだ画像データです。写真はプリントすることで初めて写真になると思います。
また、高度なテクニックとしては、撮影する時に、JPGデータとRAWデータの入力方法がありますが、後でハイライトやアンダーの部分を個別に調整できる生データのRAWデータで撮影しておくと、RAW現像ソフトで撮影時の想いを表現する写真になるように処理ができるので便利です。特に、明暗のコントラストが強い光景の時のJPGデータでは、個別に調整できず、白トビが起こりやすいので注意が必要です。
プリントの際の注意事項は、色合いとコントラストの調整です。デザイン的な意図で極端な色合いにするのであれば良いのですが、派手な色合いとシャープネスをかけ過ぎて、現実味のない写真になっている作品が多々見受けられます。これは昨今の派手なテレビモニターが出回っているせいで、それに慣れてしまっているからなのでしょうか?自然な色合いとしっとりした濃度の写真のほうが感動する気がします。
フォトコンテストに応募する時には、受賞された作品を大きなプリントにしての展示が必須ですので、撮影する画素数を最大限にして撮影して欲しいと思います。過去の応募の中には画素数が足りなく、大きくプリントした時にジャギー(被写体の輪郭部分がギザギザになること)が起こり、醜い写真になってしまい、結局展示に耐えられないということで、折角の受賞を取り下げたことがありました。
広がりのある哲学堂公園の中で、マクロの目をもって、心の琴線に触れた部分に焦点を当てて撮影した写真作品をお待ちしています。
写真家:熊谷 正(公益社団法人 日本写真家協会会員)